MERS ニュースレター No.4 巻頭言 | ネットワーク医療と人権 (MERS)

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MERS ニュースレター No.4 巻頭言


 前回号を出した後、世界血友病連盟(WFH)の第25回世界会議に参加するため、スペイン・セビリアに渡航したり、定款に基づいた総会の開催、NPO法人としての昨年度報告書作成と監督官庁への提出等を行ってきました。その後、梅雨明けと同時に連日の酷暑・熱帯夜が続いている大阪の夏に耐えながら、この度、第4号発刊のはこびとなりました。今回のニュースレターでは、皆様からの意見を採り入れ、多少レイアウトを変えてみました。今後も、いろいろなご意見をお寄せいただきますようお願い致します。

 去る7月25日には、衆院本会議で全会一致で可決し、薬事法の改正法と血液新法が成立しました。血液新法には、血液製剤について原則として国内の献血血液を原料に製造する「国内自給の確保」を国の責務であることが明記されており、さらに血液製剤の受給計画を毎年策定し、国内で必要となる血液製剤の種類、量、原料血漿の確保見込み量などを定めています。また血液事業について提言する委員会を設置し、血液製剤を使用する患者団体代表らをメンバーにすることになっています。

 この血液新法の制定、すなわち血液行政の改善は、大阪HIV訴訟第1次提訴からの悲願であり、血液行政監視事業として幾分かMERSが関われたことを考えると感慨ひとしおです。多少の問題は残しつつも、薬害防止へ一歩前進したと思います。本誌に花井十伍氏の記事を掲載していますので、ご覧下さい。

 さて本ニュースレターの主な内容は、2002年3月16日に、大阪府立女性総合センター(ドーンセンター)で行われたイベントについて、特に後半の第2部の内容について報告しています。このイベントは「薬害被害者が医療を問う」というテーマで行いました。第1部では、私たちの調査研究事業として実施している、血友病医療現場調査委員会の委員長である北里大学教授の養老孟司氏をお招きして、「現代医療について思うこと」というテーマで、記念講演を行っていただきました。養老氏の医学・医療に対する想いを語っていただきました。第2部では、サリドマイド、スモン、ヤコブ、そしてHIV、それぞれの薬害被害者の方にパネリストになっていただき、シンポジウムを行いました。「薬害被害者が医療を問う」のタイトル通り、それぞれの立場から医療現場での問題点や今後の課題について問題提起していただきました。

 その中で「『事故や不幸な出来事は、普通では考えられない偶然が重なって起きる。』その偶然が重なる背景には、人の善意や期待にもたれかかっているということがある。」といった意見や、「国や企業や医師に頼りきってはいけない、膨大な情報から如何に有用な情報を見つけるかという、患者としての立場が必要だ。」という意見には非常に重みがあると感じました。

 これらの問題提起をきっかけとして、今後も継続してこのようなシンポジウムを開催できればと考えております。

 

2002年8月31日
特定非営利活動法人 ネットワーク医療と人権
理事長 若生 治友