WFH世界大会・メルボルン2014 参加報告 -大西赤人氏 | ネットワーク医療と人権 (MERS)

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WFH世界大会・メルボルン2014 参加報告 -大西赤人氏

「再び」あるいは「改めて」コースに立つために

(大西 赤人:特定非営利活動法人 ネットワーク医療と人権 理事、
        一般社団法人 ヘモフィリア友の会全国ネットワーク 理事)

はじめに

 世界血友病連盟=WFH(World Federation of Hemophilia)は、オーストリア出身でカナダ・モントリオール在住の重症血友病A患者であったフランク・シュナーベルによって設立された国際的な患者団体である。1963年、デンマーク・コペンハーゲンで開催された第一回会議の参加国は僅か12に過ぎなかったが、既に日本は、そのうちの一国だった。現在のWFH加盟国(各国を代表するNMO=National Member Organizations)は120ヵ国を超え、なお年ごとに増えつつある。去る5月11日から15日までの5日間にわたっては、第31回となるWFH世界大会がオーストラリア・メルボルンで開かれ、MERSのサポートを受けた私も、日本からの一員として、その場に出席することが出来た。

これまでの経緯

 1980年代以降、日本における多くの患者会活動は、いわゆる薬害エイズ――非加熱凝固因子製剤によるHIV感染の深刻な打撃を受け、停滞もしくは壊滅した。従来存在していた全国会さえも事実上休止状態に陥ったことから、日本の患者会とWFHとの関係は疎遠になり、個別の患者、医療者、製薬企業関係者等が(2年ごとに世界各地で開かれる)総会に参加するに過ぎなかった。

 筆者は、過去(1998年)に一度、オランダ・ハーグでのWFH世界大会に参加したことがある。当時の日本は、世界の血友病シーンから言わば置き去りにされたような状況で、各国から数多くの関係者が集い華やかで活気に溢れた様子には、むしろいささかの疎外感さえ抱かされた。実際のところ、当然ながらWFHそれ自体もHIV感染の影響を免れ得たはずはない。とりわけ世界の血友病患者に指針を与えるべき組織としてHIV問題に対する判断・対処が十分であったのか、適切であったのかについて検討と見直しが図られ、ブライアン・オマホーニイ会長を中心として、WFHの組織改革が進められた。

 この方針は続くマーク・スキナー会長にも引き継がれ、他方、日本においては、2005年に新たに設立されたJCPH(血友病とともに生きる人のための委員会)が2006年、日本のNMOとしてWFHに加盟。並行して、ヘモフィリア友の会全国ネットワーク(以下、全国ネットワーク)がWFHとの連絡を深め、その大きな協力を得ながら、2010年以降、全国ヘモフィリアフォーラムの開催を重ねることになる。

 残念ながらJCPHは都合により今年初め解散、NMOを返上した。将来的に全国ネットワークがその任を引き継ぐ可能性は大きいものの、本メルボルン大会に関して言えば、日本の患者の立場はオブザーバーに近いものだった。それでも、WFHは我々全国ネットワークのメンバーをも丁重に迎えてくれ、昨年就任し、2月に来日して東京、大阪、奈良を回ったばかりのアラン・ヴェイル会長、アジア太平洋地域担当マネージャーのロバート・レオンを交えた意見交換の時間が設けられ、また、会期後(5/16)に行なわれるWFH総会の見学も許可が下り、参加を勧められた(会場には、日本の国旗も飾られていた)。

 

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