第8回薬害根絶フォーラム 参加報告 | ネットワーク医療と人権 (MERS)

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第8回薬害根絶フォーラム 参加報告

(文責:特定非営利活動法人 ネットワーク医療と人権 事務局 清瀬孝介)

第8回 薬害根絶フォーラム
<開催概要>
日時:2006年11月18日 13:30~17:30
場所:東京ウィメンズプラザホール
主催:全国薬害被害者団体連絡協議会
 
<プログラム>
【第1部 薬害被害の実態報告「薬害被害者が語る薬害の真実」】
司会:
 間宮清氏(財団法人いしずえ)
報告者:
 大野美佐子氏(財団法人いしずえ)/早坂典生氏(東京HIV 訴訟原告団)/
 吉村和正氏(薬害ヤコブ病東京原告の会)/高橋豊栄氏(スモンの会全国連絡協議会)/
 木下正美氏(MMR被害児を救援する会)/小田美也子氏(薬害筋短縮症の会)/
 草野了太氏(陣痛促進剤による被害を考える会)/山口美智子氏(薬害肝炎全国原告団)/
 M氏(イレッサ薬害被害者の会)
【第2部 徹底討論 変わる医薬品販売 ~本当のリスクとは~】
司会:
 花井十伍氏(大阪HIV薬害訴訟原告団)
パネリスト:
 勝村久司氏(陣痛促進剤による被害を考える会)/近澤昭雄氏(イレッサ薬害被害者の会)/
 中西正弘氏(スモンの会全国連絡協議会)/増山ゆかり氏(財団法人いしずえ)
 
本フォーラムのチラシは こちら

イントロダクション

 今回初めて、薬害根絶フォーラムに参加しました。簡単ですが、報告いたします。

 第1部 薬害被害の実態報告「薬害被害者が語る薬害の真実」

 それぞれの薬害被害に遭われた方々から被った被害実態についての報告がありました。壇上にズラリと並ばれた薬害被害者の方々、実に9名。司会の方を除けば、誰一人として同じ薬害の方はおられません。皆さんそれぞれ、まったく違う薬害による被害に遭われた方々です。被害実態のお話を聞かずしてもこの舞台を見るだけで、これだけ多種多様な薬害が実際に起こったんだということが容易に分かり愕然とする思いでした。やはり実際に被害に遭われた方々自らが語る被害の実態も壮絶なものでした。

 昨年まで「第1部 薬害被害の実態報告」は、あらかじめ用意されていた原稿を薬害被害者の方々がひとりずつ読んでいく、という形式だったそうですが、今回は、舞台に一斉に報告者全員が登場して司会を中心にした討論形式がとられました。しかし実際には討論というよりも、薬害被害者ひとりひとりと司会との対話により話が進んでいったために、討論になっていない印象を受けました。確かに原稿を読んだ方が、進行もスムースかもしれませんが、単なる原稿読みではない、被害者の生の声の方が、迫力や説得力が増して良いと思いました。

 特に印象に残っているのは、サリドマイドが承認されてまた使われるのではないか、という話題の中で、サリドマイド被害者である大野氏が「今までサリドマイドによって苦しめられてきたものが、もし自分の子供たちが病気(多発性骨髄腫)になって、『サリドマイドを使えば治る』と言われたら、使ってしまうかもしれない。そう考えてしまう自分が情けない」と涙ながらに発言されたところです。今まで自分を散々、障害だけでなく差別や偏見などによっても苦しめてきたものが、また再び「薬」として世の中に現れ、これを使わないと自分の子供たちは助からない、と言われたら……いろいろと考えさせられるお話でした。

 その他にも様々な薬害被害の実態や、これまでに受けてきた差別や偏見について報告がありました。改めてこの薬害というものの破壊力を再認識しました。

 最後に今後の課題として、医者や両親、そして本人の責任、いわゆる知識や情報管理の重要さ、未だに根強く残る差別や偏見の撤廃、国の恒久対策などが挙げられました。

 第2部 徹底討論 変わる医薬品販売 ~本当のリスクとは~

 討論に先立って、今年の8月24日に行われた薬害根絶デーの報告がなされました。薬害根絶デーの模様を紹介するビデオ上映があった後、この薬害根絶デーの中で行われた文部科学省、厚生労働省、それぞれとの交渉についての報告がありました。

 討論は、一般用医薬品と医療用医薬品の2つに分けて行われました。一般用医薬品では、中西氏から「コンビニで安易に薬が買える、ということを宣伝した政府広告が出たのに対し、強く抗議して修正を要求した」というお話がありました。私の勉強不足がゆえではありますが、スモン患者はかつてキャベジンやワカマツなど、我々に非常に身近なドラッグストアでも買えるような薬でスモンになったということを知り、非常に驚きました。薬害というのは、本当に我々の身近なところに潜んでおり、いつ誰の身に起こるか分からないということを改めて痛感しました。同時に、花井氏の発言にもありましたが、病気を治すためだけではなく、生活をもっと便利にする、という目的だけで安易に薬に手を出す現代の風潮にも危機感を覚えました。

 医療用医薬品については、近澤氏から「薬がきれいな言葉で飾り立てられて宣伝されて、副作用が隠されて発売されている。その情報がインターネットなどで広まり、使用者は鵜呑みにしてしまう」との問題提起がありました。それを受けて、「薬というのは、ある種の人体実験であり、効くかどうかは10年20年経たないと分からない。だから『画期的』だとか、『夢の新薬』とかいうのはあり得ない」というお話がありました。まったくもってその通りだな、と思いました。他にも、やはり未だに『安全性=人の命』よりも『経済的な利益=金もうけ』が優先されていること、陣痛促進剤でみられるような専門家の都合によって薬の使用がコントロールされていること、などが問題提起されました。

 続いて、タミフル被害者の父親からの発言では、被害の実態と「薬害タミフル脳症被害者の会」が結成されたことが報告されました。さらに、医薬ビジランスセンターの浜六郎氏より、さらに詳しい被害の説明がありました。

 最後に、会場の参加者との意見交換が予定されていましたが、時間の関係上行うことができませんでした。寄せられた意見、質問に関しては後日ホームページ上で回答する、とのことでした。

左:中西正弘氏 右:近澤昭雄氏

 まとめ

 私は今回、初めてこの薬害根絶フォーラムに参加したわけですが、いろいろな方から貴重な話をたくさん聞けて、大変勉強になりました。目からウロコが落ちまくりました。薬被連としては、今後もこのようなフォーラムを通して、繰り返し情報をしっかりと伝えていくことが大事だと思いました。私も微力ながら、そのお手伝いができれば、と思います。