医薬品販売制度検討部会 報告書 概要 | ネットワーク医療と人権 (MERS)

Newsletter
ニュースレター

医薬品販売制度検討部会 報告書 概要

(文責:特定非営利活動法人 ネットワーク医療と人権 事務局 鵜川圭吾)

 医薬品販売をめぐる動き

 医薬品の規制緩和の流れは平成11年、平成16年の医薬品が医薬部外品1)に移行するという大きな制度改正の前から続いていると聞いたことがある。特に平成16年度の医薬品371品目が医薬部外品に移行、ディスカウントストアのドンキホーテが医薬品を深夜・早朝テレビ電話を利用し、販売したこと等記憶に残っている方も多いだろう。

 そのような中、医薬品の販売の仕方を整理すべく、2004年5月に厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会(以下:検討部会)が設置された。その検討部会に全国薬害被害者団体連絡協議会より増山ゆかり氏が委員として参加することになった。その後検討部会が検討を終え、2005年12月15日報告書を出した。今回のニュースレターでは、増山氏より検討部会を終えての所感、その後の方向性を報告して頂く。前座として検討部会の報告書を依拠し、簡単に概説してみる。


1)・・・医薬品ではないが、医薬品に準ずるもの。つまり効果・効能が認められた成分は配合されているが、それは積極的に病気やケガなどを治すものではなく、予防に重点を置かれたものといえる。対象となる物もはっきりと定められている。

 医薬品販売の問題と現状

 医薬品販売は専門家が関与し、情報提供を行うことが原則であるが、十分に行われていない現状がある。具体的には薬剤師等による店舗管理、常時配置が求められているが、必ずしも実態はそうでない場合がある。また、医薬品の説明に関しても一律に同じレベルでの情報提供に努めることとされているが、どの薬も同じように説明することは実効性がなく、かえってリスクの高い医薬品の情報提供がおろそかになっているとの指摘もある。

 現行制度では、薬局及び各販売業にはそれぞれ専門家がいるが、その資質についてはそれぞれ異なったものとなっている。それは取扱品目に差があることにも関係している(図1参照)

 また、今後「セルフメディケーション」という言葉に表れているように、自身の健康管理のために一般用医薬品2)を利用する機会が増えてくることが予想される。ゆえに、副作用リスクを含めた適切な情報提供の環境整備が必要と見込まれる。


2)・・・医療用医薬品として取扱われる医薬品以外の医薬品をいう。処方箋が無くても買う事ができる薬で、市販薬、大衆薬とも呼ばれる。病気や症状別に作られていて、薬局・薬店にいる店頭の薬剤師と相談しながら決める事が原則となっている。

 改正の方向性

 医薬品の適切な利用のためには、適切な情報提供の環境整備が必要なことは前項であげた。適切な医薬品の利用につながる販売形態と情報提供を実効性のあるものとすべく、医薬品を一律に扱うのではなく、当該医薬品のリスクに合わせた分類、分類に合わせた専門家の関与、一般消費者にわかりやすい環境を整えることが方向性となっている。

 改正の具体的内容

医薬品の分類について

 当検討部会では医薬品の分類はリスクに応じた分類に至った。まず、リスク評価の基礎は薬の単体成分を6つの評価項目で評価する。その評価項目は「相互作用(飲み合わせ)」「副作用」「患者背景(例えば、小児、妊娠中など)」「効能・効果(漫然と飲み続けた時に生じる症状の悪化につながるおそれ)」「使用方法(誤使用のおそれ)」「スイッチ化3)に伴う使用環境の変化」である。上記項目で評価し第1類~第3類に分別した(図2参照)。なお、具体的成分については厚生労働省HPを参照して頂きたい。

 成分別に項目を分けた後、医薬品を配合されている成分によって3つのグループに分類した(図3参照)。結果として85製品群、成分として485成分(漢方製剤、生薬、消毒薬、殺虫薬及び一般用検査薬を除く)についてリスク分類を行ったことになる。


3)・・・既に承認・販売されている医療用医薬品から、一般用医薬品として移ってきて、しかも薬剤師しか扱えないもの。

医薬品販売の情報提供について

 3つのグループの販売に際して、適切な情報提供(副作用・禁忌・受診勧奨)をするべく「対面販売」の形式が原則となった。また同時に、すべての医薬品に置いて「適切な相談応需」が義務づけられた。

資質の確保

 販売者の資質確保として、新設専門販売者が設置されることとなった。新設専門販売者は、薬剤師と同様に副作用報告を行わせることが適当であるとしている。また、都道府県の試験で認定される仕組みであるが、都道府県で大きな差が生じないよう国が一定の関与を行うことが適切としている。ただし、試験を新たに設ける場合には経過措置が講じられる。

 現在、薬種商販売業や配置販売業においては、管理者についての規定が存在しないため、今後業態にかかわらず、管理者を置くことが適当であるとしている。

環境整備

 適切な情報提供及び相談応需のための環境整備に関しては、箇条書きで以下に提示する。

  • リスクの程度のついて判別しやすいように外箱に何らかの表示を行うべきである。
  • リスク別の陳列をすべきであり、特にAグループに関してはオーバーザカウンターを義務づけるべきである(図3参照)
    (Bグループにおいても特定の医薬品に関しては同様の措置をとる必要がある。)
  • 添付文書に関しては、購入者が購入前に閲覧できるように環境整備することが望ましい。
  • 着衣の有無や色、名札により、専門家と非専門家、専門家の中でも資質の違いを購入者が容易に認識できるように工夫することが重要である。
  • 情報提供、相談対応の観点から店舗に必要な掲示を外に見えるようにさせるべきである。
    (掲示内容は医薬品の種類、相談対応可能な時間などが考えられる。)
  • 都道府県、業界団体などに苦情処理の窓口を設置することが重要である。
  • 販売形態は今後、販売従事者として一定の資質を備えた者が設置されていることを確認する仕組みにするのであれば、薬局を除き「店舗販売業」と「配置販売業」に再編されると考えられる。
  • 特例販売に関しては、地域性を勘定しつつ、縮小していくことが適当である。

情報通信技術の活用

 情報通信技術に関しては、Aグループに関しては不適当であるが、Bグループは一定の条件下で検討の余地を残しており、Cグループの医薬品に関しては認めざるを得ないとしている。